丸背・本皮・コーネル装・マーブル
改装本 2020.3
より完成度の高い仕上がりを目指して
手製本を学び始めて、ゆっくりペースで進んできましたが、
いよいよ基礎の卒業に際して課題制作したものです。
はじめて尽くしでチャレンジ 2016はじめ
皮張りコーネル装
シルクスクリーン布 エンボス加工ラベル
何はともあれやってみた
美しいアートブックやかわいらしい小さな本など、心をなごませてくれる本たちがたくさんあふれている生活の中で、私も自分で作りだしたいという思いではじめた手製本でしたが、本というものの意味や作るということの理由を全くよく考えていませんでした。
本に関する記述のある書籍などに触れているうちに、本を作るということは、私という人間をさらけ出す、まことにおそろしげなものだということが分かりました。
確かに一冊の本を見たり読んだりすれば、その内側に閉じ込められたストーリーや真実のみならず、その人の思考や知性、品格がそのまま人の前に差し出されていることに気づきます。私は、一冊の本を作りたくて手製本を学習し始めました。手製本を進めれば進めるほど、私の内面にあった草の根が木の根のように、土の深い方にのびていきます。のびていく根は、自分の中にたくさんの疑問や理由を問いかけてきては混乱させますが、それを補うこともできるのだと。
きちんと設計され、組み立てられた本なら、私という人の欠点や落ち度すらも、人間らしい味わいに変えてくれるでしょう。。。。数々の素晴らしい絵本たちの世界で、私の一冊が命を与えられる日を目指していきます。
2015年の秋ごろから、自分でデザインしたシルクスクリーンの素材づくりの準備を始めました。はじめての試作品です。年末に製版していただいたものが届いたので、さっそく印刷。年明けにテーブルにはめ込むタイプの台を作成しました。釘打ちは手伝ってもらって、さっそくためし刷り。さらに裏打ち、何度もやり直して、どうにか裏打ち布を仕上げました。裏打ちには和紙を使用。その布と皮を使用して、コーネル装で仕上げたのが赤革の本です。想像しきれなかった部分も、、ヨンネ先生と最後の仕上げをして、こうなのかあ。。。という感動です。B4サイズに近い大きな本。年明けはじめの手製本。